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00:00:16,443 --> 00:00:17,632
みなさんこんにちは!
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00:00:17,632 --> 00:00:22,903
www.weiss-sound.comとwww.theproaudiofiles.comのマシュー・ワイスです。
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00:00:22,903 --> 00:00:25,672
この動画はマスタリング・チュートリアルの続きで、
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00:00:25,672 --> 00:00:29,469
最終段に置くリミッターについて解説します。
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00:00:29,469 --> 00:00:36,379
私はマスタリング工程まで含めてミックスを仕上げるように求められることが多いので、
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00:00:36,379 --> 00:00:40,623
リミッターの重要性をよくわかっています。
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00:00:40,623 --> 00:00:44,343
リミッターは最後の仕上げになるものです。
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00:00:44,712 --> 00:00:48,613
リミッターの使い方のポイントは、聞く音量を一定に保つことです。
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00:00:48,613 --> 00:00:52,589
つまりリミッターに音をどれだけ大きくつっこんでも、
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00:00:52,589 --> 00:00:57,036
アウトプットはそれと同じ音量を減らしてモニタリングするということです。
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00:00:57,036 --> 00:01:02,376
これにより実際リミッターが音にどんな影響を与えているかよくわかるのです。
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00:01:03,019 --> 00:01:04,698
それではやってみましょう。
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00:01:04,698 --> 00:01:07,498
これはFabFilterのPro-Lです。
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00:01:08,728 --> 00:01:15,483
ゲインコントロールとアウトプットコントロールがあります。
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00:01:15,483 --> 00:01:19,544
これら2つが最重要で、他のリミッターにも当てはまります。
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00:01:19,544 --> 00:01:24,514
リミッティングの量とアウトプットのモニタリングが一番大切。
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00:01:24,514 --> 00:01:28,714
それらの後のことはすべて微調整でしかありません。
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00:01:29,178 --> 00:01:31,421
ではまずは音楽を再生して、
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00:01:31,421 --> 00:01:35,403
リミッターが作動し始めるまでにどれだけヘッドルームがあるか見極めます。
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00:01:35,403 --> 00:01:40,286
ちなみに、曲のなかで一番大きな音の出る箇所を再生します。
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00:01:40,286 --> 00:01:44,736
その箇所でリミッターが最も強く掛かるからです。
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00:01:52,591 --> 00:01:59,405
メーターを見たところ、リミッターが作動するまでだいたい11dBほどヘッドルームがあるようです。
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00:01:59,405 --> 00:02:02,290
それを少し超えた値に設定しましょう。
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00:02:02,290 --> 00:02:06,499
音が歪むポイントを見極め、そこから少し下げることにします。
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00:02:06,499 --> 00:02:10,729
16dBでやってみます。
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00:02:12,620 --> 00:02:17,950
ゲインを上げた分だけアウトプットを下げます。
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00:02:19,574 --> 00:02:25,524
音量の変化なしでリミッターが作動するのを聞いてみましょう。
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00:02:41,454 --> 00:02:42,924
もう一度。
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00:02:54,131 --> 00:02:56,429
明らかにやりすぎです。
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00:02:56,429 --> 00:03:01,086
スネアの音が完全につぶれて、全体的にポンピング気味になっています。
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00:03:01,086 --> 00:03:03,465
少し下げてみましょう。
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00:03:03,465 --> 00:03:07,745
13.5でやってみます。
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00:03:14,300 --> 00:03:16,100
聞いてみましょう。
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00:03:31,327 --> 00:03:33,977
さっきよりずっと透明な音になりました。
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00:03:33,977 --> 00:03:37,590
私はこれくらいがちょうどいいレベルだと思います。
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00:03:37,590 --> 00:03:40,792
バンドメンバーはもう少し上げて欲しいと言うかもしれませんし、
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00:03:40,792 --> 00:03:44,120
多分それほど崩れずに上げられるとは思いますが。
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00:03:44,120 --> 00:03:46,593
試しにほんの少しだけ上げてみましょう。
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00:03:47,173 --> 00:03:48,059
いい感じですね。
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00:03:48,059 --> 00:03:51,869
さて、ここから微調整に入ります。
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00:03:53,135 --> 00:03:55,521
他のリミッターはこれと作りが違うものもあります。
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00:03:55,521 --> 00:03:57,987
多くのリミッターでこれ以上の調整はできませんが、
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00:03:57,987 --> 00:04:00,407
しかし最重要の調整はもう終わっています。
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00:04:00,407 --> 00:04:02,766
リミッターを設定して、ベストな音を見極める。
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00:04:02,766 --> 00:04:05,868
歪んだりポンピングしていなければそれでOKです。
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00:04:05,868 --> 00:04:10,215
でもPro-Lにはいくつか別のツールが付属しています。
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00:04:10,215 --> 00:04:17,014
このアドバンス・セクションにスタイルやルック・アヘッド、アタック・リリースがあります。
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00:04:17,014 --> 00:04:21,784
これらを使って音を最適化することができるのです。
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00:04:22,560 --> 00:04:24,514
しかしどの部分を最適化するか?
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00:04:24,514 --> 00:04:26,075
私たちが聞きたいものとは?
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00:04:26,075 --> 00:04:29,462
それは歪みとポンピングを最小にして、
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00:04:29,462 --> 00:04:33,388
トランジェントを最も自然なアーティキュレーションにすることです。
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00:04:33,388 --> 00:04:35,501
これらがベストな音を決定づけると思います。
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00:04:35,501 --> 00:04:37,342
ではちょっと調整してみましょう。
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00:04:37,342 --> 00:04:40,527
私はふつうトランジェントの調整から入ります。
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00:04:40,527 --> 00:04:42,177
それが一番目立つ部分だからです。
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00:05:41,780 --> 00:05:43,657
どこが変わったか?
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00:05:43,657 --> 00:05:49,468
一番大きな変化はスタイル・モードを"dynamic"に設定した時、
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00:05:49,468 --> 00:05:52,722
スネアの音が生き生きしてきたことです。
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00:05:52,722 --> 00:05:55,531
これは大きな改善でしたね。
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00:05:55,531 --> 00:06:00,099
それ以外で大事なのはアタックとリリースです。
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00:06:00,099 --> 00:06:07,589
この種の音楽では、このアタックを上げれば上げるほどスネアの音がパリッとしてきます。
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00:06:08,506 --> 00:06:10,767
いまかなり上げ気味になっていますが、
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00:06:10,767 --> 00:06:14,177
リミッターの動作とどう関係しているのか私はよく知りません。
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00:06:14,177 --> 00:06:18,046
クリッピングしているわけでもなさそうですが、どうなんでしょう?
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00:06:18,046 --> 00:06:20,734
いずれにせよ、こんな風に設定してみて、
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00:06:20,734 --> 00:06:26,574
トランジェント、歪み、ポンピングがどうなっているか聞き、ベストな状態を探ります。
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00:06:26,817 --> 00:06:30,907
かなり遅めのアタックとリリースが一番自然な感じで、
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00:06:30,907 --> 00:06:35,683
モードは"dynamic"にするとベストな音になるようです
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00:06:35,683 --> 00:06:38,253
ルック・アヘッド機能はちょっと変わっていて、
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00:06:38,253 --> 00:06:43,113
上げすぎても下げすぎてもトランジェントが消えてしまいます。
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00:06:44,016 --> 00:06:45,216
変ですね。
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00:06:47,067 --> 00:06:49,883
まあ、こんな感じでしょう。
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00:06:49,883 --> 00:06:57,553
ではデフォルトの設定に戻して今の設定と聞き比べてみましょう。
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00:07:00,211 --> 00:07:04,751
いま作った設定と、デフォルトの設定です。
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00:07:23,910 --> 00:07:27,910
スネアとキックのエッジが少し際立って音が生き生きした感じですね。
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00:07:27,910 --> 00:07:30,186
ものすごく小さい違いなので、
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00:07:30,186 --> 00:07:35,064
ゲイン設定に比べて重要性は低いですが、
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00:07:35,064 --> 00:07:37,844
細部はおろそかにできません。そうでしょ?
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00:07:37,844 --> 00:07:41,904
以上が最終段のリミッターの使い方になります。
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00:07:42,627 --> 00:07:44,337
ではまた!