キックのピッチを曲に合わせる方法【動画・字幕あり】

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DTMチュートリアルを多数公開中のADSRから、「ミックス・エッセンシャルズ:キックドラムをチューニングする四通りの方法」という動画が面白かったのでご紹介します。

Youtubeの仕様上、全画面にすると字幕が消えてしまいます…。もし小さくて見づらい場合はブラウザのズーム機能などをお試しください。

 

ポイント

動画では次の四つの方法が紹介されています。

  1. Kickなどのプラグインを用いる方法
  2. サンプラーを使ってピッチをずらす方法
  3. EQを使ってピッチをずらす方法
  4. ピッチシフターを使ってピッチをずらす方法

詳しいやり方は動画を見ていただきたいのですが、それぞれ簡単にポイントをまとめておきますと、

Kickなどのプラグインを用いる方法

Sonic AcademyのKickというキック専用のプラグインを用います(いまはVer.2が発売されています)。

こちらは自分好みのキック音を自由に作り出せるプラグインですので、キックの低音部分を曲のピッチに合わせてチューニングします。高音の部分に関しては特にチューニングする必要はありません。

簡単に調整できるので一番ラクな方法かもしれませんね。

 

サンプラーを用いる方法

Native InstrumentsのBatteryやKontakt、その他DAW付属のサンプラーなどにキックのサンプルを読み込んでピッチを調整します。

tuneが調整できるサンプラーであればなんでもOK。ただし、調整する前にキックのサンプルのピッチを確認しておく必要があります。

確認した結果たとえばピッチがGで、これをFにしたい場合は半音2つ分下げればよいので、サンプラーのtuneパラメーターを-2にします。

 

EQを用いる方法

EQを使ってピッチがずらせるというのは意外と盲点ではないでしょうか?

やり方は、まずキックのサンプルをコピーしておき、片方にローパスEQをかけてSub用、もう片方はハイパスEQをかけてBody用とします。そしてSub用の方にEQを掛けてブースト&カットし、目指すピッチになるようにうまく調整します。

この調整作業は勘でやるしかありません。少しEQをかけてピッチを確認、またEQをかけてピッチを確認、という感じで地道にやっていきます(その場面は動画ではカットされていました)。

目的のピッチに合わせることができたら、先ほどのBody用のサンプルとレイヤーして鳴らせば完成です。

 

ピッチシフターを用いる方法

ピッチシフター系のプラグインを掛けてサンプルのピッチを直接変更します。

この方法は、動画内では少し冗談っぽく「タブー」と言われていました。たしかに、あまりクオリティの高くないピッチシフターを使うと音がおかしくなったりアタックが弱まってしまったりと色々な問題が出てきそうですね(しかしピッチシフターでチューニングするというのは本質的にはサンプラー上でのピッチ変更と変わらないような気もします)。

動画ではLogic付属のPitch Shifterを上手に使う方法が紹介されていました。設定をPitch Trackingに変更し、Delayを2ms、Crossfadeを0にして使うのがポイントです。

なぜか一発目の音が変になってしまうバグがあるようなので、そのまま掛けて使うのではなくいったんバウンスすることが推奨されていました。

 

Spanでピッチを確認

チューニングする際に大切なのがピッチの確認作業です。動画ではVoxengoのフリープラグイン、Spanを使う方法が紹介されていました。

まずModeをHigh Resolutionに変更して見やすくします。キックを鳴らした時にHoldを押して波形を固定します。ここでピークにカーソルを合わせて下の表示を確認すればピッチがわかります。

下記画像では「F♯1」「 14cents」と出ていますね。これはF♯1の音程から14セントズレた音であることを表していますのでほぼF♯1のピッチであると言えます。

 

さいごに

この記事ではキックの音をチューニングする方法をご紹介しましたが、「そもそもチューニングする必要あるの?」という議論もネット上ではしばしば見かけます。

たとえばZeddのTwitterを見ていたら、Kill The Noiseとのやりとりでこんなつぶやきを見つけました。

Killthenoise「ベース・ミュージックをDのキーで書くのはいいんだけど、ハウスをDで書くのは大変だ。サブがやりづらい。」

zedd「いや。キックはGにすればいいよ。誰もキックの”音名”なんて聞いたことないんだから(EDM化してるなら別…歪ませてるなら別って意味ね)」

via

これは三年以上前のツイートなので今はどうかわかりませんが、このような意見もあるというのは勉強になりますね。

キックに関してはチューニングの方法を理解しつつ、曲に応じて判断するというのが理想的なのかもしれません。

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