無料のアナログ系ディレイプラグインSpaceship Delayを手に入れよう!

LINEで送る
Pocket

突然ですがKVRデベロッパー・チャレンジって聞いたことありますか?

海外の音楽系掲示板KVRで不定期に開催されているプラグイン開発のコンテストです。第一回開催2006年から数えて第六回目となる2016年のコンテストでは全部で41のエントリーがあり、とても盛り上がりました。

このコンテストでは掲示板ユーザーからの投票によって入賞者が決められるのですが、今回第3位に輝いたSpaceship Delayというプラグインが非常に良かったのでご紹介します。

Spaceship Delayとは

Spaceship Delayのデベロッパー名はMusical Entropyで、開発者のIvan CohenさんはTwo Notesでギターアンプ・シミュレーターの開発に携わるなどの実績がある方です。

Spaceship Delayのスペックを引用します。

  • 三つのディレイモード:シングル、ピンポン、デュアル/ステレオ
  • 通常のディレイエフェクト・コントロール:ディレイタイム(ms、拍)、フィードバック(110%まで設定可能!)、タップテンポなど
  • モジュレーション・セクション:ディレイタイムとフィルターカットオフ周波数に作用
  • アタック・コントロール:インプットボリュームがスレッショルド以上になったときだけディレイを掛ける
  • スプリングリバーブ:有名なテープマシンをモデリング
  • フィルター・セクション:通常のローパス、ハイパス、シェルフに加えて二つの有名なシンセサイザーのフィルターをシミュレート
  • モデリング・セクション:異なるディレイタイプ(Old Digital/Tape/Modern)に加えて、ビットクラッシャーとチューブプリアンプによるサチュレーション
  • フリーズ・スイッチ:クリエイティブなエフェクトやlooperによるエフェクトの加工
  • ポスト・エフェクト:フィルター、トレモロ、ヴィンテージフェイザー
  • VST, AU and AAX formats (32/64-bits, Windows & Mac OS X)

via

要約すると、フリーズ機能付きのディレイで、フィルター部分が個性的なアナログシンセフィルターのエミュレーションになっており、サチュレーション、フェイザー、スプリングリバーブなどの各種エフェクトも掛けられる、といった感じでしょうか。フリー製品とは思えない機能の充実ぶりでわくわくしますね!

作者さんイチオシのポイントはフィルター部分で、これがとても美しく個性的なディレイ音を生み出します。Ivanさんの言葉を引用します。

Spaceship Delayのアイディアを思いついたのはけっこう昔のことですが、今年KVRのコンテストが開催されると聞いてエントリーを思い立ちました。私はKorgのMonotronを所持しているんですが、そんなに使っているわけではないにせよこのシンセのアイディアはとても好きです。特に好きなのがこれです。

そこで私は考えました。もしこれをエフェクトとして使えるなら?便利なプラグインにしてみたらどうだろう?と。数時間後、私はシンプルなKorg MS-20のフィルターシミュレーションをコーディングしてみたのです。すでにこの時点でとても素晴らしいサウンドでした!

via

というわけで、フィルターの元ネタになっているのはKorgのMS-20です(ちなみにMonotronはMS-10/20の有名なフィルター回路と同じものを搭載している商品です)。これがプラグインのフィルターセクションでは”Japanese”という風にラベリングされています。

ちなみにもう一つのアナログエミュレーションはGerman/Canadianとなっていて、こちらはIvanさんのブログ記事によるとオープンソースのMeeBlip anode/triodeというコンパクトなシンセサイザーのフィルターセクションが元ネタとのことです。

またスプリングリバーブに関しては、DynacordのEchocord super 76というテープディレイマシンに搭載されているスプリングリバーブをキャプチャしたものだそうです。

 

ダウンロード&インストール方法

ダウンロードはIvanさんのブログのDownloadsページからできます。Windows用とMac用のLinkが別々に用意されていますのでどちらかをクリックしてみてください。

zipファイルをダウンロードして解凍すると、中にdllやcomponentファイルが入っていますので、自分の使用したいファイルを選んでMac/PCのプラグインフォルダに直接コピー&ペーストします(Ver.1.05の現時点ではインストーラーはありません)。

DAWを立ち上げるとMusical EntropyのSpaceship Delayが新たに読めるようになっているはずです。最初にプラグインを立ち上げた際には以下のようなダイアログが表示されます。

解凍したフォルダの中に入っている”Musical Entropy”というフォルダを所定の位置に置いてください、ということが書いてあるので指示に従って置きます。Macの場合はLibraryのApplication Support フォルダ内に”Musical Entropy”フォルダを置いてあげればOKです。これでプラグインを一旦閉じてからまた開くと、プリセットが読めるようになります。

プリセットを切り替えながら遊ぶだけでとても素晴らしい音が実感できます!

また、その他のコンテスト作品もすべて無料で手に入りますのでKVRのページからお気に入りのものを見つけてみてください。第1位に輝いたYoulean Loudness Meterは素晴らしいと各所で話題になっていますのでこちらもオススメです。

 

Similar Posts:
    None Found

LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。